軍議が終わりレオンが天幕に帰ってくるとサクラを包んでいるブリュンヒルデから小さな光が1つ舞い出ていた。
ブリュンヒルデやサクラの周りをふわりふわりとしているその光にレオンは見覚えがあった。
「お前、あの時の…おいで…」
その光はふわりとレオンの傍に寄ってきて顔の前でフワフワと浮いている。
意識が回復する前 夢の中でサクラと共に居た小さな光だった。
「助力をしてくれたんだね。」
腕の小手とグローブを外して光を包み込むようにする。
レオンの手伝いをしてくれる精霊達は基本的に鉄や鉛の物質を嫌う。
魔導士であるレオンはそれを良く知っている為キチンと対応していた。
「会えて嬉しいよ。」
レオンが包み込んだ光にキスする様にすると光は嬉しそうにレオンの頭の周りをクルクルと回り、髪の間に入ったりしてじゃれてくる。
「皆には頼んだけど…そうか…まだ綺麗な存在だものな。しっかり神にお仕えするんだよ。」
光はレオンの顔の前で一度パッと光りブリュンヒルデの中に入っていくとサクラを包む木の弦が強く光り始めた。
光は少しの間人の形を成す。
柔らかい黄色がかった朱色の長い髪に白い肌、鳶色の目の少し線の細い少年の姿。
姿を見たレオンの目には涙が浮かぶ。
「…ありがとう、愛しい僕らの子。また会おう。約束だ。」
少年はにこりと笑うと光の粒になり散らばる。
散らばる瞬間小さく「父上」と声がした。
するとブリュンルデはサクラを包んだまま高く浮きその木の弦が同じく少しづつ結晶となりシュワシュワと音をさせながら消えていく。
レオンが息を呑んで様子を見つめていると全ての木の弦が消えサクラが姿を現しゆっくりと降りてくる。
「サクラ…」
レオンが受け止めて抱き締めるとサクラはゆっくりと目を開け微笑んだ。
「レ、オン…」
「おはよう、サクラ…」
レオンは涙を流しながらサクラに微笑み口づけるとサクラもゆっくりだがそれに素直に応える。
間違いないサクラの感触に思い切り抱き締め何度も名を呼ぶ。
サクラは「苦しいです」と笑いながら腕を回して抱き返してくれた。
「ごめんなさい…私、ただあなたを助けたくて何も考えずに…それに…お腹の…」
「…知ってた…?」
「いいえ。あの子がこちらへ連れて帰ってくれたんです。励ましてくれて、手を引いてくれて…あなたにそっくりな、子でした…」
「…うん、僕も会えた。いい子だったね。父上って呼んでくれたよ。」
「私の事も、呼んでくれました…本当に、ごめんなさい…」
「また会えるよ、きっと…あの子と約束したから。泣かないで…」
「あなたも私の為に、無理を…」
「全て僕の責任だ。だからどうしても君を助けたかった。でもサクラを助けてくれたのはきょうだいや精霊達、それにあの子だよ。僕の力じゃない。」
サクラは黙ってレオンの胸に頭を置いて目を閉じる。
しばらくそのまま抱き合っていた。
「ちゃんと鼓動が聞こえます。よかった。目が覚めてあなたが居なかったら、私は…」
「…皆に怒られた。」
「私も怒ります。」
「それは怖いな…」
サクラの頭にキスをすると抱きかかえてベッドまで連れていきとりあえずガウンを羽織らせる。
サクラはその時に初めて自分の前半分の服がなく裸だったことに気付き、慌てて後ろを向いて隠そうとするがバランスを崩してそのまま横に倒れこんでしまう。
「わ、私…」
「ひと月近く眠っていて目覚めたばかりなんだ。急いで動いたらダメだよ、ゆっくり…」
「サクラ、目覚めたの?」
サクラを抱き起こした時に入り口から声をかけられ振り向くとアクア一家が立っていた。
「…!!! アクア、姉さんっ?」
「あら、ごめんなさい。気配がしたから来てみたんだけどお邪魔だったみたいね。とはいえいきなりそういう事をするのはいかがなものかと思うわ。」
「わっ、ご、ごめんなさいっ、俺出てますからっ!!」
「ちょ、すいません、見てませんっ!!」
「ち…ちょっと男共は出なさいっ!!! 清らかなる乙女の肌は選ばれし運命の君のものなのよっ!!」
アクアは相変わらずの無表情で淡々と話すがシグレとオーディンは慌てて後ろを向いてドタバタしている。
それをオフィリアが天幕の外に引きずり出していた。
「えっ、ち、違うっ。着替えさそうとしててっ!」
「あら、そうなの。ならサクラの着替えを取ってくるわね。」
シレッとアクアは振り向いて天幕を出ていく。
とすぐにリョウマやタクミが入れ替わりで入ってきて状態に目が点になる。
「サクラっ…え?」
「…これはどういう事だ?」
リョウマは腰の雷神刀に手をかけ構える様に動く。
「レオン……?」
「目覚めたばかりの妹に貴様…」
「ち、違いますっ。誤解だ!! だから着替えさそうとしててっ!!!」
「兄さん、まって!!」
それはそうだ。
サクラは抱き起され前ははだけたままで状況が把握できず茫然としている。
先ほどの延長で目はまだ潤んだままだ。
誤解を招くのも仕方が無い状況となっていた。
その時天幕がぶわーーーーっと広がり空に舞う。
『サクラさんっ、目が覚めたんですねーーーーっ!!!』
あまりの嬉しさに興奮したカムイが龍の姿で天幕に突っ込んで翼をバサバサしてしまい天幕は翼の風圧で空に舞う。
レオンとサクラは空に舞う天幕を目が点の状態で見ていた。
「カムイーーーー!!!!」
「うお、カムイ、お前その姿!!!」
『あれっ? あーーーーーっ!!!』
サクラはレオンの腕の中で気を失った。
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「サクラ…ああ、もう本当にごめんよ…」
サクラはあれから急に起こったドタバタで気を失い発熱してしまった。
レオンは昨晩からつきっきりでその看病をしている。
「私は大丈夫ですから、お仕事へ…」
「いい、しばらくは君の傍に居れる事になったから。」
実はあの後とんでもない修羅場となった。
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知らせを受けたカザハナがレオンとサクラのいる天幕へ駆けつけた時にはとんでもない事になっていた。
天幕は空を舞い、レオンにほぼ素っ裸の状態で気を失ったサクラは抱かれ、カムイは竜化してドスンバタンと慌て、タクミとリョウマがその前でカムイを宥めていた。
「サクラっ!? あ、あんた達っ…なんて事を!!!!!!」
カザハナは様子をみて怒り狂い、すぐ側にいた兵士からドラゴンキラーとキラーソードを引き抜き二刀流でレオンに切りかかる。
「女の敵ぃいいいいっ!!!!」
「うわっ!!!」
レオンは瞬間結界をかけ、カザハナの放った斬撃は弾き返される。
レオンの前にはブリュンヒルデが毛を逆立てる様にして浮いている。
「やる気…暗夜の王子?気安くサクラに触らないで。気に入らないのよ、元々ねっ!!!!」
「待て、とにかく話を…」
「待てい!!!」
カザハナは問答無用とばかりにレオンに襲い掛かるがリョウマの雷神刀に阻まれる。
ギリギリと刃を交わしたまま、まだカザハナは刀を引こうとしない。
「リョウマ様…どいてください…」
「駄目だ。レオン王子とは俺が話がある。」
「サクラ様の事です。臣下の私が話をします。」
「兄さん!やめ...」
タクミの声はすでにリョウマには届かず、交わした剣を滑らせると双方の刀は火花を上げ次の斬撃に変わる。
「おおおっ!!!」
「ぬんっ!!!」
カザハナが放ったキラーソードの上段からの一閃をリョウマが薙ぎ払うが、逆からドラゴンキラーが唸りをあげて襲い掛かる。
リョウマは雷神刀をくるりと素早く回して受け止める。
「まだまだぁ!!!」
カザハナは見えない程のスピードで連撃をリョウマに浴びせるがリョウマは雷神刀1本で見事にそれに応戦する。
なかなか見られない対戦カードとあまりの素晴らしい剣技にギャラリーが増え天幕の周りは闘技場の様な興奮に包まれていた。
「兄さん!!…これは駄目だ…」
リョウマの顔つきがどんどん変わって来ている。
戦いを楽しんでいる顔だ。
タクミがレオンに目配せしてサインを送るとレオンは結界を不透明に変えてサクラをガウンに着替えさせ呪文を唱え始め姿を消す。
次に姿を現したのはレオンの天幕の中。
急に姿を現したレオンに中で片づけをしていたメイド達が驚くが「しずかに。」と指示をしすぐにサクラをベッドに寝かせる。
「湯と拭くもの、彼女の着替えの準備をしてくれ。すぐにサクラ隊の医師を呼べ。」
指示をしながら自分も法衣や鎧を脱いで直ぐにサクラの様子を見る。
薄く汗をかき呼吸が荒い。
急に体を動かして負担になったのかもしれない。
「サクラ…しっかり。」
レオンはタオルで顔を拭いてやり様子をみているとマークスとカミラが天幕に入って来た。
「レオン、どういう事だ。」
「サクラ王女…レオン、変わるわ。」
「今エリーゼがメイド達と手分けして準備している。医師もすぐに来るはずだ。サクラ、とりあえず目覚めたのならよかった…」
マークスも側に寄りサクラの頭を撫で、カミラが脈などを取りながら様子を見てくれている。
「なんだかややこしい事になって…」
レオンが状況を説明するとカミラは頭を抱えため息をつき、マークスは眉間の皺を一層増やす。
「何と…サクラがやっと目覚めたというのに…私が行こう。」
マークスは振り向いて急いで天幕を出ていく。
「どうして白夜の人間はこんなに落ち着きがないのかしら…」
「運が悪いだけだと思うんだよ、僕の…」
「あ、ああ...」
カミラは妙に納得した様子でレオンと顔を見合わせ盛大にため息をついた。
一方元の天幕では大興奮のやりあいが続いていた。
あの剣聖リョウマに対し同じく剣聖ではあるが女性のカザハナが一歩も引かない状況で対峙している。
リョウマは剣を八相に構え、カザハナは2本の剣を上段下段両方に構え、一息つくと互いに地を蹴り剣を振りかざそうとした時、ぶつかる先に藍玉の矢と銀色の薙刀が地に突き刺さり瞬間2人は後ろに飛び避ける。
「双方止まれ!!!」
タクミの声が響く。
目をやると少し離れた所でタクミが風神弓で次の矢を引き、鋼の薙刀を構えたツバキが臨戦態勢で2人を睨んでいた。
タクミの後ろからジークフリードを抜いたマークスが現れる。
「自軍での潰しあいをするのが白夜の武士のあり方か!!」
その声にリョウマは我に返り雷神刀を納めるが、カザハナはマークスに対し口を開く。
「臣が主を護るのは当然の事!! 我が主を辱めた無礼を…」
瞬間、カザハナは迫る殺気に身をひるがえし放たれた攻撃を受け止めると、鋼の薙刀をギリギリとおさえ付けてくるツバキの姿があった。
ツバキの顔はいつもの柔らかさは無く目を見開いて殺気を放っている。
「なにっ…」
「剣を納め、王子に無礼を詫びろカザハナ。返答次第では俺がお前を切り捨てる…」
「…いや、よっ…」
「俺は本気だ。こんな無礼を働いた責を負い、お前を斬って俺も自害する。」
「…な…」
「剣を納めろ!!」
発せられた怒号にカザハナも頭が冷える。
頭に血が上ったとはいえ自分の仕える王族に剣を向けてしまった事に気付き一気に血の気が下がり両手の剣を地に落とし膝をつく。
ヒナタやオボロ、ゼロ達が周りのギャラリーを追い払う中、ツバキはマークス達に向いて守り刀を地に置き正座をし土下座をする。
「数々の無礼。心よりお詫び致します。この責は全て夫である私の不行き届きによるもの。私が責をとります。」
切腹の礼にならい、ツバキが守り刀を抜いて髪を落とそうとした時にその手を掴んで止められる。
「やめて!! 悪いのは私です!!!」
カムイが人の姿に戻り叫ぶ。
「私が、あんな姿になってしまったから混乱しただけなんです! レオンさんだってきっとサクラさんを介抱しようとしただけ。カザハナさんだってサクラさんを守ろうとしただけ。きっとタイミングが悪かっただけなんです!! だから、彼らが悪いわけじゃないんです!!」
「マークス王子、俺にも責がある…命だけは助けてやってくれぬだろうか。本当に申し訳ない…」
リョウマはツバキや皆に対して頭を下げる。
マークスは険しい顔はそのままにポツリという。
「サクラがやっと目覚めたのだ。急ぎ準備をして行軍を再開せねば両国が危機にさらされる。本来ならば厳重な罰が言い渡されるだろうが今はこんな事をしている場合ではない。それにそなたらが罰を受ければ一番悲しむのはサクラであろう。今後は身を慎み、より一層サクラと国の為に励むがいい。それが一番の謝罪となろう。それでよいな、リョウマ王子。」
リョウマは俯いたまま静かに頷く。
「…ありがとうございます。今後より一層、妻と共に仕える事をお約束致します…」
ツバキは地に頭をこすりつける様にして言葉を絞り出す。
その姿を見ていたカザハナがキラーソードを拾い自分の首に当てたが刀の鞘でそれを弾き飛ばされる。
「んな事するなら生きてその分働けよ。おめぇもこれで目が覚めたろ、馬っ鹿野郎…」
茫然とするカザハナにヒナタが呆れた顔で手のひらでその頭をポンと軽く叩くとカザハナはその場に突っ伏して泣き始める。
オボロが駆け寄り背を撫でてやっていた。
タクミは風神弓を解きふうと息を吐く。
するとパン!!!!と盛大な音が響いた。
オロチがリョウマを平手打ちをしてした。
「この、痴れ者が!!!! お主は昔からそうじゃ! 早とちりで頭が固うて、とんでもない暴れ者め!! 亡きミコト様もお主の暴れ様に心を痛めておられたのじゃぞ! この…大馬鹿者っ!!!」
オロチは体をブルブルと震わせながらリョウマに怒りをぶつける。
その様子にマークスも驚き、タクミは顔を歪める。
兄リョウマが昔は暴れ者で力比べという名目であちこちでいざこざを起こしていたのは聞いた事があった。
それもこれもカムイと生き別れになった事により強さを求める様になったのが原因なのだが…だが雷神刀を継承されてからは自覚も芽生え大分落ち着いていた。
「…すまん…」
「一国の王子で次期国王ともあろうものが…恥を知れ!!!! マークス王子、こやつは連れて行くぞ! じっくり説教してやらねばならん!!!」
「あ、ああ…」
オロチはリョウマの陣羽織を握りしめて引っ張りながら夜の天幕に消えていった。
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「レオン王子、居るか?」
「…はい。どうぞ。」
天幕にリョウマが入って来た。
その左頬は少し腫れていてレオンは驚く。
「り、リョウマ王子、それはどうされたのですか?」
「これか。これは昨晩妻にこっぴどく灸をすえられてな…昨日は本当に申し訳なかった。心から謝りたい…」
「いえ、誤解が解けたならそれで良いのです。」
「サクラは、様子はどうだろうか?」
「はい、まだ熱が高く…しばらくは安静が必要だという事です。」
「顔を見ても?」
「もちろんです。こちらへ。」
リョウマをベッドの所に案内するとサクラは顔だけをこちらに向けて微笑み兄を呼ぶ。
「リョウマ、兄様…」
「サクラ…!!」
リョウマはすぐに駆け寄りベッドの横に座ってサクラの手を握る。
「よかった…助かって本当によかった。皆に、特にレオン王子によくよく礼を言わんとならんな。」
「兄様、ご心配をおかけして、申し訳、ありませんでした…」
「良い。お前が戻って来たなら、それで良い。もうきょうだいと離れるのは俺には耐えられん…」
ため息をつきながらサクラの手を握り祈る様にする。
「サクラ王女の療養ですが…ここでは移動もしなくてはならないので一度星界に戻りあちらで治療に専念する事にしようと思っています。」
「そうだな…行軍しながらでは体にも負担が大きい。」
「はい。私もその方が、安心できますので…」
「うむ…そうしてやってくれ。サクラを頼む。」
「はい。ですが私も今後は行軍に参加します。時々様子を見に行く形になりますが、あちらの診療所ならば治療も進むでしょう。」
「貴公はそれで良いのか?」
「行軍中でも折を見て龍脈の再生化に行かなくてはなりません。その際にでも会いに行きます。」
「そうか…貴公には色々と負担をかけるな。」
「兄様、私、ここへ居てはいけませんか…」
「サクラ、レオン王子の負担になる様な事はしてはならん。お前を助ける為にこんなにも時間を費やして下さったんだぞ。」
「……っ…解って、ます…けれど…」
サクラはとても寂しそうな顔をして胸の所の毛布を握る。
「私…彼と、一緒に……いたい…です。」
毛布を少しかぶる様にしながら熱で赤くなった顔をもっと赤くしながらサクラは小さくつぶやく。
それを聞いたリョウマは驚きレオンも顔を赤くする。
悟られまいとレオンは顔を隠す様にしてよそを向くが耳までは隠せず俯いていた。
その様子をチラリと見たリョウマはくすりと笑いサクラに向き直る。
「そうか…お前も俺と同じく頑固だからな。でもそれはお前の希望だけでは決める事は出来ん。婿殿と相談して決めろ。」
「え…?」
「お前が治療をしている間、話は聞いた。」
サクラがレオンに目をやるとレオンは赤面し上目遣いでサクラを見て小さくため息をつく。
「君が治ったら、きちんと結婚の申込をする為にリョウマ王子に挨拶をすると約束したんだ…」
「あ…」
「何だ、違うのか? 辛い事もあったが伴侶がいれば乗り越えられよう?」
リョウマはいつもの様に腕組をしてにこりと笑いながらサクラを見る。
サクラは困ったような顔をしていたがぱっと明るくなる。
「はい…では相談させてください。」
「うむ。とりあえずはしっかりと休んで熱を下げる事だ。」
「はい。」
「婿殿、ではサクラを頼む。」
リョウマは立ち上がり天幕から出ていく。レオンは見送ったがすぐにサクラの元に戻った。
「サクラぁ~…」
「…はい、旦那様…?」
サクラが微笑みながらレオンに答えるとレオンは顔を手で覆い隠して耳まで真っ赤にする。
「もう…君には敵わないよ…」
「レオンの、お陰ですね。私も、強く、ならなくちゃ…はあ…」
「ほら、もう…いいからお休み。とにかく早く治そう。」
「はい。リョウマ兄様に、お話ししなくちゃ、ですね。」
「…やる気満々だね。嬉しいな。」
「はい。」
サクラはまだ高熱があるのにニコニコとレオンに笑い返した。