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性的な表現があるため「R」とさせていただきます。

自己責任の上でご覧ください。





サクラとレオンを残し天幕に戻ったタクミは、入ってすぐにベッドの上に座り大きくため息をつく。

初めての精霊との対話に、かなりの精神力を使った様だ。

頭の結紐をとり、締め付けている着物も全て脱ぎ緩め、ベッドにそのまま倒れこんだ。

カムイも鎧を脱いで軽装になり、水を持ってすぐにタクミの元へ行く。

 

「大丈夫ですか? お水です…」

「ああ、ありがとう。」

タクミは上半身だけ起こして水を一気に飲み干す。

 

「もう一杯飲みますか?」

「いや、いい…」

「汗が凄い…」

カムイはタオルでタクミの顔や体を拭いていくが、汗は収まる様子がない。

呼吸が荒いわけでも顔色が悪いわけでも熱があるわけでもなさそうだが、とにかく汗が体を伝っていた。

 

「辛い?」

「辛いというよりも怠い、かな。とにかく体から力が抜けていく感じ。」

「水分をとにかく摂って。こんなに汗がでたら脱水症状になってしまいます。」

カムイは水をタクミに飲ませるが、飲む分だけ汗が出てきてしまう。

 

「レオンは凄いな…毎回こんな事をやっているんだろう? 龍脈の活性化だって…やはり彼じゃないと出来ない事だよ。」

「そうですね。レオンさんは生粋の魔導士ですから、魔法関係でレオンさんと渡り合えるのはニュクスさんだけだと思います。」

「ニュクス、か。なるほど。確かにそうかもね。」

ニュクスは体は呪いで子供の状態だが、中身は大人。

長い時を生きている「魔女」と呼ばれる女性だ。

その魔力もとても大きなもので、レオンもニュクスに教えを乞うていたくらいだ。

以前マイキャッスル内で魔導の鍛錬をしていた時、結界内でぶつかるニュクスとレオンのとんでもないレベルと、レオンが疲れて肩で息をしていてもニュクスはケロリとしており、表情も変えずレオンに「まだ未熟ね」とあっさり言ったのを見て、そこにいた全員が背筋が寒くなったのを思い出した。

 

「でも…本当によかった。これで助かるって精霊も言ってくれたし一安心だな。」

「それは安心ですが、私は今タクミさんのこの状態が不安です…」

「んー、これは困ったな…体が怠すぎる…休めば治るかもしれないから、もう休むよ。」

カムイがタクミの夜着を取りに行こうとベッドから降りようとすると、胸の竜石が小さくポッと光り浮き上がる。

その様子をタクミも見ていたが、カムイの顔が見る見る赤くなっていく。

しばらくすると竜石は光を消してふわりとまた元に戻った。

 

「どうした?」

タクミはカムイの手を取って心配そうに聞くが、カムイは俯いてもじもじとしたままだ。

尖った耳は真っ赤になって少し垂れ下がり、口をむにゃむにゃと動かしている。

 

「カムイ?」

「あ、えと…その…精霊さんが…」

「精霊が?」

「…タクミさんの体を治す方法を教えて、くれたん、ですけど…」

「?」

「ですけど…その…」

カムイは俯いたまま顔を横に向けるが、意を決したようにタクミに勢いよく覆いかぶさってきた。

タクミは驚いて固まる。

 

「じっとしててくださいねっ!! とにかくじっとしててくださいねっ!!!」

「な、なに…え…?」

カムイはゆっくりタクミに口づける。

何が何だか解らないタクミは一瞬驚いたが目を閉じて受け入れる。

おずおずとした動きで少しづつ口づけが深いものに変わって行くと、タクミの体に一気に何かが流れ込んだ気がして目を開き口を放す。

 

「な、なに今の??」

「…本当だ…汗、少し引きましたね…」

気付くと確かに流れ落ちていた汗は少し落ち着き始めていた。

 

「これ、は…」

「精霊さんが、教えてくれました。その…昔から神がかりの儀式で、相手に力を与える時には…えっと…体を、繋げるって…」

「はっ?」

「き、聞き返さないで下さいっ。わ、わ、私だって恥ずかしいんですからっ。あの、巫女とか、そういう方々が力をあげる時に、そうされて、る、そうです…」

カムイの声はだんだん小さくなり首まで真っ赤にして俯く。

こういう事はいつもタクミからでカムイからは誘った事がない。

今まで受ける事はしてきても自分から言った事がないカムイにとっては、パニックになりそうなのは当たり前だろう。

 

「そんな、無理しなくても…口づけだけでも少し変わったならきっと…」

「それじゃ、治らないって言ってます…」

「あー……~~~っ」

タクミも流石に少し顔を赤らめて目を逸らす。

ぶっちゃけの所タクミだって男で若い。

もちろんそれなりの欲はある。

カムイのこんな様子や行為の誘いはとても嬉しいものだが、そのカムイがこんなにゆでだこになっているのはやはり可哀そうに感じるのだ。

大切にしたいからこそ、今まで無理をせずに来ていた。

 

「というかなんで君は今も精霊と話してて疲れてないの?」

「精霊さん達は『龍だから』だって…私もよく解りません…」

「龍の血が濃い事と何か因果関係でもあるのかな?」

そうこう言っている間に、またタクミは汗だくになりため息をついている。

カムイは覚悟を決める。

 

「と、とにかく、あなたの体が大切ですから、僭越ながら私がさせて頂きます。タクミさんは寝ててください。」

「いや、無理しなくても…わっ…」

カムイは自分の衣服を脱いでタクミの目に被せた。タ

クミがそれを取ろうとすると「ダメ」と服を押さえられ「見ないで」と言われる。

 

「見ないでって…生殺し…」

「いいから黙ってて下さいっ。」

カムイに唇を塞がれる。

半分やけくそになっている様な気がするが、可哀そうなので仕方なくそのままで行為を受ける事にした。

 

「え、と…どうすればいいですか?」

タクミは少し吹き出す。

元々天然ではあるが、確かに純粋過ぎる。

暗夜のきょうだい達が心配するのも無理はないとくすりと笑う。

自分との好意はそれなりに経験してきているが、まだ慣れていない様子が見えるのが堪らなく可愛く思う。

 

「ひ、ひど…」

「ああ、ごめん。教える、よ。」

泣きべそをかいているようなカムイの声に、腕を伸ばして抱き寄せるとこくりと頷く。

愛しさが増すが、カムイが頑張ると言ってくれている以上ここは我慢だ。

ひとつづつ教えてやると素直にそれに従って行為を続ける。

これは本当に背徳感が増す…我慢できるかな、とタクミは不安になる。

 

「目隠し、取らないで、ね。」

どうしても見られるのが嫌らしい。

それでも少しづつ行為が進むにつれてタクミの体から大量の汗が引いていき、体の怠さも徐々に無くなっていく。

途中で何度かカムイが辛そうにタクミの体に頭を寄せてくる。

「大丈夫?」と聞くと頷いて馬乗りになって準備を始めた。

 

「慌てなくて、いい、ゆっくりで…」

「は、い…はっ…」

カムイはどうすればいいのかタクミに聞きながら慣れないながら動いていく。

目隠しをしている状態での行為は、吐息と体の繋がりの感触だけが妙に敏感に響き何とも言えない気持ちになる。

繋がっている場所から体に流れ込んでくる気のようなものが、もの凄い速さで染み渡り嘘の様に怠さも消えていく。

こうなると先ほども説明したようタクミだって男で若く、もちろんそれなりの欲はあるのだ。

我慢は限界を迎える。

 

「…折角なんで、見たいんだけど。」

「折角って、何っ? 嫌っ。」

カムイの腰を掴んで揺さぶると、体が跳ね上がりぶるりと震える。

 

「嘘みたいに体楽になったんだよね。もう動く。」

「だめ、ですっ。まだ、終わって…にゃ!?」

タクミは目を覆っていたカムイの服をぽいと投げ捨ててにっこり笑う。

 

「にゃ? かわいい♪」

カムイは真っ赤な顔で抵抗しようとしたが、軽々とタクミに抱えられ形勢逆転。

コロリと簡単にひっくり返される。

 

「ありがとう、もう大丈夫…一応かなり我慢したんだよ、これでも…」

「かんっじんな、所でっ、してないっ、でしょっ。ばかーーーっ!!!」

「痛いって、髪抜けるから。」

「抜けちゃえっ、もうっ、ばかっ。」

涙目のカムイにポカポカされながらタクミは笑う。

タクミは行為を続けたが結局最後までカムイに長い髪を引っ張られていた。

 

 

翌日の早朝、タクミは目を覚まし精霊に聞いてみると昨晩の行為の意味は本当らしい。

カムイの濃い龍の血は王族が引いている龍の血に力を与えるものとなるという。

タクミがこうして精霊と話せるようになり、新しい力を開花した時にカムイと繋がるという行為などは、その能力を安定させる意味で必要な事なのだと。

事実、今もこうして楽に精霊と話す事が出来る様になっている。

やはり神代の龍の力を直接引く彼女には、まだ未知の力や効果が眠っているらしい。

王族と臣下の契約で主の血をなめるというものがあるが、それも儀式的な事だけではなく意味があるものだという事がこれでよく解った。

今後はカムイの血を舐めるという行為が他の者にも必要になる可能性がある。

肉体を繋げる事が一番効果が早いらしいが、やはりそれは自分以外とは避けたい。

眷属に襲われる理由がハイドラを倒しに行くという以外にも、カムイの血の役目を止める為だという事が確認でき、改めてタクミは横に眠る妻に感謝と共に護る事を心から誓った。

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